ギランバレー症候群

 2015年9月、それは突然やってきました。

 朝起きて二階から降りるとき、左足にわずかな違和感を覚えました。いつもの様に食事し出勤。駅までの途中左足に力が入らない感覚、その日は顧客訪問予定があり、桜木町まで電車を乗り継ぎ,上司との待ち合わせ場所に先を急ぎましたが、足の違和感は増すばかりで歩行そのものがきつい状態になっていきます。

 桜木町に着くと最早階段を下りることに困難を感じるまでになっており、上司に断りをし帰宅することになりました。 

 最寄り駅から自宅までいつもであれば10分程度の距離、30分以上掛かってようやく帰宅。過去に腰の手術をした経緯あることで、大学総合病院の整形外科を受診。しかし、異常は見られず医師から手術をした病院での受信を薦められ、翌日東京の病院で受診、前日と同様に検査致しましたが、医師からは「これは整形ではないようです。手紙を書きますので神経内科を受診してください」と改めて前日の総合病院を受診することになりました。 

 この間、すでに立って歩くことは非常に困難な状態。翌日、病院に着くと全く歩けずに車いすでの移動。神経内科を受診し状況説明をすると、医師からは即座にギランバレー症候群であることを告げられ緊急入院rとなりました。

 足に違和感を覚えてからここまで3日という時間が過ぎてしまっており、集中治療室での治療が始まりました。 

 医師からの説明でギランバレー症候群の原因は、カンピロバクターという病原菌に感染し、身体のなかでは本来この病原菌を攻撃する抗体が本人の末梢神経まで攻撃することで発症することを知りました。

 カンピロバクターという病原菌は、主に鶏肉に存在し十分に加熱しないと感染の危険があります。私も生に近い状態の鶏肉を食したことが原因です。

 治療はグロブリンによる血漿交換(いわゆる人工透析)が何回か行われ、あとは様子を見ることになりました。 

 結果として4か月の入院生活とその後のリハビリも含め18ヵ月もの間休職することになりました。現在、発症してから6年半が経過しましたが、後遺症に悩まされています。筋肉量の落込みと四肢(特に手の指)の不自由さは改善されず、寒くなるとペンをもって字が書きにくい、箸で食事が出来ない、つま先が上がらないなどとても不自由です。

 医師から死なないでよかったね!と言われたこともあり、食中毒だけでは済まない病気もあるということを痛感しています。

 カンピロバクターだけでなく、食中毒を起こす細菌はたくさんあります。常に清潔に、そしてよく加熱した食事を心掛けましょう。