現在、科学的に見た食品健康影響評価の目安として、生涯に亘って累積の実効線量が、約100mSv(ミリシーベルト)以上と判断されています。これは、太陽など自然などからうけている放射性線2.1mSv/年、レントゲンなど医療で使用される放射線量を除いて計算された累積の実効線量です。100mSv未満であれば健康の影響について心配ありません。100mSvは、健康への影響が必ずあると言うものではなく、食品の安全管理、リスク管理上の数値です。100mSvレベルの低線量被ばくでは、放射線による発がんリスクは、タバコ等の健康影響より小さいとされています。
では、具体的に食品ではどのような規制値なのでしょうか。日本の厚生労働省の基準値は、1mSv/年です。国際的な食品の規格・基準を定めているコーデックス委員会(世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同機関)なども1mSv/年を採用しています。「日本では放射性物質を含む食品の割合の仮定値を高く設定していること、年齢・性別毎の食品摂取量を考慮していること、放射性セシウム以外の核種の影響も考慮して放射性セシウムを代表として基準値を設定していることから、基準値の数値が海外と比べて小さくなっています。」(環境省)米国の上限設定基準値は5mSv/年です。
日本では、東北の事故以降、「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」(令和3年3月26日改正)に基づき、各都道府県で検査計画を策定し、実施されています。過去の検査結果等を分析し、放射性物質の降下・付着、水・農地土壌・大気から食品への移行、栽培/飼養管理による影響等をもとに、さらに基準値を超える可能性が高いと考えられる品目、地域について、重点的に検査をしています。
当マイコトキシン検査協会でも全てレベルの放射線量検査をすることはできませんが、輸入などを行う時の証明書などの検査として食品中の放射性セシウム検査を行っております。